
夏目漱石の『虞美人草』を読みました。
じつはクロスワードのときは
インターネットの力を借りて解いてしまいました^^;
後で読もうと思っていたんです!言い訳
そして先日読み終わりました。
嘘は○○汁、も確かに出てきました。
表紙絵は大正時代に発刊された本の装幀と同じデザインだそうです。

津田青楓装幀「色鳥」夏目漱石著 大正四年 新潮社刊より
内容は、タイプの異なる若い男女が6人(男3、女3)出てきて
それぞれの関係が絡まりながら物語が進んでいくという話で
まるでトレンディドラマ(表現が古い?)のようでした!
漱石が東大講師などの教職を辞めて朝日新聞社に入社し
初めて発表した長編小説だったそうです。
漱石が安定した職を手放したことは「センセイションをまき起こした」そうです。
すでに『吾輩は猫である』『坊っちゃん』『草枕』を発表した後でしたが
講義準備の合間にしか小説が書けない生活よりは
創作活動だけで生活できる道を選んだ、とのことです。(本田顕彰の解説より)
蛇足ですがこの解説の本田顕彰という方は名古屋のお寺出身だそう。
『虞美人草』を発表すると予告しただけで
三越が虞美人草浴衣を、玉宝堂が虞美人草指輪を(どんなの?^^;)
発売するという盛り上がりだったそうです。
娯楽の少ない時代の新聞小説は
月9的な存在だったのかもしれません。
(最近は月9でもそこまで盛り上がっていないかもですが。)
内容は会話シーンが多くて、笑いあり涙あり三角関係あり、
作品発表と同じ年に行われた東京勧業博覧会の
イルミネーションを見るシーン(宣伝?)あり、
最後は主要人物が集合して衝撃のラスト!
イルミネーションのシーンでは、
A男と仲良くしているB女が、A男とC女が一緒にいるところを見て
機嫌が悪くなる、というベタな感じのシーンが書かれていました。
人間の内面を掘り下げるような文章は
この後の作品に増えていくそうです。
ドラマを観ているみたいで面白かったです。
最後まで楽しく読めました。
明治のトレンディドラマ、読書の秋にいかがでしょうか。
ちなみに読んだのは昭和26年発行の新潮文庫版で
文庫本の裏に書いてある紹介文は読みませんでしたが
読まなくて正解でした。ほとんどあらすじが書いてある!Σ(`v´し)
お気をつけください。
最後にトレンディドラマの法則という
くすっと笑える動画を紹介します。
長々と書いてしまいましたが
最後までご覧くださりありがとうございます。


