
図書館で7月下旬に予約して
11月下旬にようやく借りられましたー。
今年出版の新しい本です☆
屋久島のサルを定点観測した話から始まり
鳥類全般についての話や
松原氏の研究対象であるカラスの話などが次々と出てきます。
『鳥類学者だからって…』の著者はアニメのたとえが多かったですが
松原氏はミリタリー系のたとえがお好きみたいです。
サルの定点観測は「ザーメ・ザウ」のようだと。
ツァーメザウとも書くみたいで
飼いならされた猪という意味だそうです。
ドイツ軍が考えた夜間迎撃戦法で
地上から目視による索敵をしたのだとか。
松原氏も地上レーダー員になって
屋久島のサルを定点観測したとのことです。
(鳴き声がしたとか姿を見たとかをメモして報告する)
ところで松原氏は京都大学卒ですが
京都から屋久島ってちょっと行ってくる!って距離じゃないような気が…^^;
週末だけ行っていたのかな、平日の授業は…?と疑問がわきましたが
昔の大学はいろいろ自由だったのかもしれません(?)。
屋久島―京都間を行き来するくらいのフットワークの軽さが
フィールドワークをする学者には必要ってことでしょうか。
ミリタリーネタはウミツバメの話でも出てきました。
ウミツバメは別名シュトゥルム・フォーゲルで
メッサーシューミットMe262戦闘爆撃型のニックネームだそうです。
(メッサーシューミットにはほかの型もあるんでしょうか。)
きっと我が家にいるマニアさん(´・ω・`)も知っているでしょう。
英語ではストーム・ペトレルで
この鳥は嵐を感知して事前に船や岩場に避難するそうです。
以下、驚いたことやへぇ~!と思ったことなどをメモします( ..)φ
・蝶は偏食(特定の葉っぱしか食べない)
いきなり鳥以外の話ですが、エサの話で出てきました。
鳥は飛ぶためにエネルギーを使うので
雑食でしっかり栄養を摂らないといけないとのこと。
蝶も飛びますが、特定の葉っぱだけで生きていけるんですねぇ。
・鳥は紫外線が見える。磁場がわかる鳥もいる
どんな風に見えているのか気になります…。
渡り鳥は地磁気や星座を利用しているとか。すごい!
・青い鳥の羽に青の色素はない
構造色というそうです。青く見えているだけで
青い色素は持っていないとのこと。
カワセミもルリビタキも!(カワセミはよくわかっていないそうです)
光の反射で青だけが人の目に入ってくるから
青く見える、ということらしいです…(文系理解の限界)。
ちなみに青い目の人も青く見えるだけで
虹彩の色素は茶色のメラニン色素だけだそうです。
(色素が多いか少ないかで見え方が変わる)
・カラスは人の顔を認識できるが
人を狙って嫌がらせをするような鳥ではない
・カラスは鏡を見ると自分とは別個体ではないと理解できず
鏡を蹴るが
他者が見ている状況ではエサの隠し場所を変える頻度が高くなる
(↑サリーアン課題に近いものが解けるということだそうです)
・繁殖期は2~4月
(ゴミ捨て場が荒らされる時期と一致します。)
・カラスの威嚇行動
大声で鳴く
止まった電線を嘴で叩く
手近な葉っぱをちぎって投げる
それでも人が気づかないと、頭をかすめるように飛ぶ
最後は背後から頭を蹴飛ばす
~余談~
先日東山動植物園で観たワライカワセミ(最近来園しました)が
止まり木を嘴で叩いていましたが
あれは威嚇行動だったのかも…。((`v´し)に対して!?)
新しい環境にまだ慣れていないのかもしれません。
・鳥は恐竜から直接進化した動物
進化のグループ分けではそうなるそうです。
たしかに恐竜みたいな種類がいますよね。
フサホロホロチョウとか。
恐竜よりも小さくなることで生き延びたのでしょうか。
・フクロウの翼の仕組みは新幹線のパンダグラフにも応用されている
フクロウが静かに飛ぶことができるのは
翼の前縁にある風切り羽のエッジが
のこぎりのようにギザギザになっているからだそうです。
フクロウ好きの設計者が新幹線の騒音消しに応用したとか。
・伊良湖岬はタカ柱で有名
鳥に関するいろいろな話を読むことができて
楽しい一冊でした!
著者のように「カラスかわいい」とまではなかなか…^^;
ですがカラスに勝手にいろいろイメージをつけているのは
人間なんですね。神社が合うとか意地悪とか不吉とか。
今後はカラスを見かけたら変なイメージを外して観察してみたいです。


